関東地方も梅雨明けだそうで、急に「真夏」になってしまいました。
とはいえ、例年よりは多少過ごしやすいんじゃないかと思っています。。。
1日遅れましたが、お待ちかね(ていた方はさすがにいないと思われますが(笑))
妖精館物語 5/15をお送りします。(ふう。やっと1/3かぁ。(汗))
妖精館も3年目ぐらいになると、会員さんが次第に増えてきました。
「会員さん」がいる事によって、私達は会誌を定期的に発行しなければならないという責任感が重くなって、
「編集が面倒くさいから嫌」
とか言ってられなくなってきました。
実に本末転倒な話ですが、会員さんの存在によって、
私達は、妖精館というサークルに強く縛り付けれる様になりました。
役職も決まりました。進歩くんは会長、私が副会長、洵くんが会計。
私が副会長に就任した訳は、すぐにサボりたがるので、サボれない様に。。。(苦笑)
まるで、小惑星が集まって次第に惑星が成長し、
その成長した惑星の引力によって、さらに小惑星が引き寄せられて
惑星が成長するように。。。
会員さんの「引力」で、次第に私達の集まりは「会」の様になってきました。
進歩くんに無理やり引きずられて、本の様なものを作っていた集団が、
何となく、「妖精館」という会の運営活動をしている集団になってきました。
当初から、私は会誌に殆ど目を通す事が無かったんですが、
この頃、ふと会誌を眺める機会があり、私の(かなり)拙い小説の感想が書いてあったのを見て、非常にショックを受けました。
自分たちの作っている「本の様なもの」を、きちんと「本」として受け取って、
読んでいる人がいる!
文章にすると、なんとも無責任な話ですが、この時になって初めて、
自分たちのやっている事は、多くの(と言っても当時30人位でしたが)人々に影響を与える活動をしているんだという事に気づきました。
自分たちの編集している「本」の向こう側に「人」がいるとなると、
いい加減な事はしたくないな。。。私が、会の活動に積極的になった瞬間でした。
とは言え、会員さんの殆どは地方に散らばっていて、顔を見る機会など無かったのですけれども。
会員さんが増えてくると、原稿と一緒に手紙という形で色々な声が進歩くんに届きました。
「私の作品の感想をください。」
「会誌の編集方針について、意見があります。。。」
「私の悩みを聞いてください。」
「やっほー! スタッフの人たちはどういう人か当てて見ましょう!
進歩さんはいいトコの大学生、shobunoさんは、理科の先生か研究員、
洵さんは銀行員か会計事務員。。。案外みんな結婚してたりして。。」
元々進歩くんは純粋に本作りに熱中したい人だったので、
会員さんの声に対応するのはそれ程得意ではなかったみたいで。。。
返事がし難いお便りは、次第に私に回ってくる様になりました。
「コレ、返事しておいて。」
といって、何通かの進歩くん宛の手紙を受け取りました。
・とてもしっかりと色々沢山書かれていて、返事が大変そうな手紙。
・自分が嫌いな作品を書いてきた人からの作品感想を求められている手紙。
・ユーモアに満ちた手紙で、返事にもユーモアのセンスが要求される手紙。
・会に対して、批判的な手紙。
などなど。。
ある手紙には、
会の運営についての批判的な意見がしっかり書かれていました。
め、面倒くさそう。。。(苦笑)
住所を見ると、何と私達の家と同じ東京都足立区の男性でした。
「色々会にご不満があるみたいですね。
そこまで会の事を熱心に考えて下さるのなら、
是非一緒に会の運営をしてみませんか?」
と書いて送った所すかさず、一度会ってみたいとの回答。。。。
「うわ、ど、どうしよう。。。会いたいって。
いきなり怒られたら嫌だなぁ。。。(笑)」
「こうなったら、あ、会ってみるしかないだろう。(汗)」
「妖精館」のスタッフと言っても、生の「会員」さんに有った事はありませんでした。
3人は、かなりビビりながらも、彼に会ってみる事にしました。
彼は、我々よりも2学年上の郵便局員でした。
名前はTさん。(仮称)
背は大きくて、ガッシリした体格。
ミリタリーマニアと分かる服装。
始終ニコニコ笑顔でとても明るく愛想の良い人でした。
会のこと、趣味のこと、をガンガン私達に話しかけてきました。
(こちらが話す隙もない位に。。。(^_^; )
別れた後に、進歩君は
「普通じゃない。。。なんだあの人は。」
と言ってましたが、私はすっかり彼の人柄が気に入ってしまい、
是非彼をスタッフにして、一緒に活動しようと提案しました。
私の強い推薦で、Tさんはめでたくスタッフの仲間入りを果たしました。
この人事は大成功で、後の会の発展の原動力になったのですが、
これに気をよくした私は、会員さんの善意を無条件で信じてしまう傾向が強まり、
後の大失敗を招く事になります。。。
ついでにもう一人。。。
編集中に進歩くんが悲鳴に似た声を上げました。
「うわっ!また、来たよ〜。。。(涙)」
「え? 誰?」と洵くん。
「ほら、例の変な奴。。。」
「ああ! また来たの??」
「うん。。。どうしよう?」
・・・・・(沈黙)
「どうしたの?」と私。
「あ、shobuno! コレ、返事しておいてくれない?」
受け取って見ると、キツイ冗談に満ちた内容のお手紙でした。
「えっ!? コレを僕が返事書くの?? ムリだよ。(苦笑)」
岡山在住の女子高生だった彼女。。。
後に私の妻になる人とはさすがに知るよしも有りませんでした。。。
今まで実体のない筈だった「会」が、急に実体を持つ様になり、
活気があふれる感じになってきました。。。