shobuno's blog

shobunoの日記です。日々見たこと、考えたこと、思い出した事などを興味の向くまま書いていきます。

物語のはじまり (今はなき株式会社Mの物語 1/16)

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いつも通りがかる道で、ふと見上げるとザクロの実が。。。

ザクロの実って、ちょっと趣がありますね。

 

 

とうとう始まってしまいました。

shobunoが妖精館を卒業して、とあるソフトウエア会社に入り、

「学生」から「社会人」になるまでのお話を書こうと思います。

本当でしたら、事実をそのまま書いた方が楽といえば楽なのですが、

そうすると、傷ついたり、迷惑がかかる人々が多々いる事を考慮しまして、

多少の脚色を加える事をお許しください。。。

 

「この物語はフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係ありません」

 

こう書いてしまえば、後はこっちのものです。。。(笑)

 

 学生だった私は、何になったら良いのか、途方に暮れていました。

大学で学んだ「生物学」で生きて行ける程、私には力が無い事はハッキリしていたし、

私自身「生物学」にほとんど魅力を感じなくなっていたのです。

でも、今流行りのニートになる程、無気力にもなれず。。。

焦って、なれそうな職業を模索していました。

 

「ソフトウエアはどうだろう?」

 

私は、コンピュータに興味が有りました。

幾つかの有名な会社に行きましたが、

「ウチは福利厚生が整っている」

「ウチは無料で宿泊施設が使える」

「ウチはこんな楽しいイベントを催します」

「ウチの食堂は無料です」

こんな感じの説明ばかりで、肝心の事は説明してくれません。。。

 

「正直、そういう話は余り興味がありません。

 で、どんな仕事をするんですか?」

「えっ?!」(目を丸くする試験官。。。)

「(ダメだこりゃ。。。(^_^;)」

 

そんな時に、株式会社Mの求人に出会いました。

「コンピュータの経験不問、会社でイチから教育します。

 仕事はメチャメチャキツイです。

 でも社員のみんながやる気に満ちて、生き生きと働ける職場です。

 ソフトウエア開発は社会にとって、とても重要で、

 やりがいのある仕事です。」

 

こんな感じの触れ込みでした。

何だか良さそうな感じがして受験する事にしました。

 

株式会社Mは、東京の田町にありました。

事務所の中は、病的な程にきれいで。。。

壁も机も真っ白でピカピカ。

眩しくて、なんだかSF映画のセットの様。。。

会社のドアを開けると、従業員の人たちが数十人いて、

全員起立して、大きい声で

「いらっしゃいませ!」

と言った事が印象に強く残っています。

 

 学科試験を何教科か受けて、小論文を書いて(楽勝)その日は終了。

すぐに電話がかかってきて、面接を受けて欲しいと言われました。

東京のボスと面接をしました。

(後から聞いたら、かなり異例の事だったらしい。。。

 当時はそんな事分かりませんでしたけど。。。)

 

試験の成績がかなり良かったとか、

ウチの会社は厳しいけどやりがいが有るとか、

どんな仕事がしたいかとか、

座右の銘は何かとか、そんな話をした覚えがあります。

東京のボスが最後に「勉強になりました」と私に言って、

ああ、この人は心にもない事を言う人なんだなぁとか思いました。。。

 

それから暫く連絡が無かったので、ダメだったのかな?と思っていると

電話があり、最終面接が大阪の本社であるので来て欲しいと言われました。

 

本社は大阪の梅田、ちゃやまちアプローズという巨大なビルにありました。

アプローズタワーの22〜23階がオフィスでした。

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ここの22階の会議室から眺める景色は絶景で、ただただビックリ。。。

そんな中で、社長と話をしました。

社長とどんな話をしたのか、今となっては、はっきり覚えていません。

ただただ、これまで会ったどの人よりも活発で、

話が上手くて、賢そうな印象を受けました。

彼は始終上機嫌の様子でしたが、最後に気になる事を言いました。

「君、研修で苦労するぞ。それに耐えられるかな?

 耐えられれば、きっとモノになると思うが。。。」

 

この面接の数日後、合格通知が来て、

東京の会社に手続きにきて欲しいと言われて行きました。

内定を貰い、手続きを済ませて説明を受けました。

4月に入社してから、すぐに「研修」に入ること、

「研修」とは、大阪の本社で社長から直々に教えられる授業で、

4月1日から3〜4ヶ月間行われるものでした。

その間、東京配属の人は大阪にある社員寮に寝泊まりする事になるという事でした。

 
 
研修に入る直前に、「主任」という人とちょっと面談をしました。

主任は変な笑いを浮かべて

「研修がんばってね。。。多分もう会うことも無いと思うけど。。。」

「えっ?! どういう事ですか?」

「いや別に。。。そのうち分かるよ(笑)」

 

 

こうして、期待と不安を胸に大阪へ立つ直前のある日。

突然、妖精館の方から電話を頂きました。

駅まで来ているから、来て欲しいと。。。

 

「選別を持って来たの。。。」

「え?! ありがとう!!」

「。。。体に気をつけてね。」

(。。。しばし沈黙。見つめ合う二人。)

「うん。。。◯◯◯も元気でね。」

私は、もうカリオストロの城の最終シーンのルパンの心境です(苦笑)

ちょっと迷った後、結局固く握手を交わしました。

 

ああ、これで終わったんだな。。。そんな事を思いました。

 

 

こうして私は「学生時代」に決別し、一人大阪へ向かったのでした。