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shobuno's blog

shobunoの日記です。日々見たこと、考えたこと、思い出した事などを興味の向くまま書いていきます。

入社式 (今はなき株式会社Mの物語 2/16)

今はなき株式会社Mの物語

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夜があけます。

 

 

入社式の前日、私は大阪へ行きました。

これから数ヶ月、大阪暮らしになります。。。

ずっと関東で暮らしてきましたので、大阪の様子が珍しくてしかたありませんでした。

 

信号が赤になっても、みんな止まらないとか

道を歩いていると、おばちゃんが突っ込んでくるとか

電車の中でみんな大声でしゃべっているとか

(東京の電車は、ほとんど誰も話をしません)

何よりも印象に残ったのは、言葉。。。

みんな、大阪弁を流暢に話している!!(当たり前 (^_^;)

なんか、テレビで見た芸人さんとそっくりだ!!(?)

 

そんな感じで、すっかり観光客気分でその日は過ごし、

会社で取ってくれたホテルで一泊しました。

 

そして、入社式の日がやってきました。。。。

 

スーツを着て、アプローズタワーを登り、株式会社Mの入社式の部屋へ。。。

部屋に入ると、机がたくさん並べられていて、名札と書類が置かれていました。

開始前30分ぐらいだった思いましたが、もう数人が着席していました。

私も、自分の名札が置かれた席をみつけて着席しました。

後から知った事ですが、この日入社した社員は46名だったそうです。

 

時間になって、社長が突然ドアを開けて、我々の前に立ちました。

非常に不機嫌な表情でした。

 

「君たちは、返事もロクにできない。

 言葉遣いもなっていない。

 まだ、学習できる準備ができていない。

 君たちは群衆に埋もれ、個性を失っている状態だ。

 これから社会人研修を始める。

 研修では3つの柱を意識しなさい。

 1.真面目に取り組む

 2.緊張感を持つ

 3.力を付けよ(体力、精神力共)」

 

大きな声でそう言うと、白板を使って講義を始めました。

講義は30分程続いて終わりました。

授業が終わると、白板をノートに写し、

今行われた講義の内容を、一言一句残さずノートに書かせられました。

(この行為は「再現」と言われていました。)

良く分からないまま、必死にノートを書きました。。。

 

その後「入社式」が始まりました。

突然、耳をつんざく様な大きな声がしました。

運動会の応援団長の声そのものです。。。

 

「我々、先輩の研修生より、本日入社した皆様にお祝いの言葉を述べるっ!!」

 

えっ?! 

何っ?!

 

私達新入社員一同は、一瞬何が起こったのか分かりませんでした。

その間も、口上は続きます。。。

ただ、殆ど叫びのような言葉は、何を言っているのか分からず

ただただ、恐怖心を煽られるばかりでした。

 

「先輩の研修生」は2人でした。

二人とも顔色が悪くて、目が爛々としていました。

ロボットの様な動きで、口上を述べ続けています。

 
何これ怖い。。。

一体どうしたんだ。。。?

来る所を間違えた。。。?

 

張り詰めた雰囲気。

笑顔無し。

ジョークなしの入社式でした。
 

当惑しつつも式は続き、

社長や、会社の上司からの言葉などがあり、

最後に、新入社員からの自己紹介をしなさいという事になりました。

順番は決まっておらず、挙手した人から行うというものでした。

 

ぽつり、ぽつりと挙手する人が現れて、

自己紹介が始まりました。。。

 

やばい。。これはやばい。。。

こういう時は、早めに済ませておいた方が良い様な気がする。

動物的な直感が働き、挙手しました。

 

「shobunoと申します。1日も早くこの会社の役に立てる様な人間になりたいと思います。一所懸命努力しますので、どうかよろしくお願いします。」

 

こんな感じの当たり障りのない事を言った様なが気します。。。

ひと通り自己紹介が終わり、挙手をする人がいなくなりました。

上司の人が

「もう終わりか?」

と言いましたが、誰も反応しません。

 

「◯◯さんと、△△さんと。。。(略)。。。☓☓さん。」

「。。。はい。」

「何故、君たちは自己紹介しなかったのか?」
「・・・・。」
「集団の中に紛れて、自分だけ楽をしようした不届き者!
 君たちは、我社で研修を受ける資格は無い!
 今すぐ辞めてしまえっ!!」
 
目の前で、数名の「同期」の首が飛びました。。。。
(ひぇ〜。。。)
私達は震えあがりました。
 
どうやら、とんでもない所に来てしまった様です。。。
 
この後も、社長の講義、再現、書類の記入、
社長の講義、再現。。。。
社長の講義、再現。。。。
私語は勿論厳禁。
トイレに行く時でさえ、「先輩の研修生」に断って行かなくてはいけません。
 
ストレスで胃が痛くなりました。
でも、定時まで我慢すれば。。。
 
定時が来ましたが、相変わらず講義、再現、講義。。。
 
繰り返される講義と、それを再現する為に使う莫大な集中力による疲れで、
頭がぼんやりしてきました。
眉村卓のSF、「産業士官候補生」の世界にそっくりでした。。。
(分かる人は殆どいまい。。。(汗))

 

1日の最後に、「研修報告書」を書く事になっていました。

書き終わると、もう夜中の11時半を回っていました。

 

先輩社員に連れられて、八戸ノ里にある社員寮(ワンルームマンション)に到着したのは、夜中の1時頃。

 

こうして、社会人初日の長い1日が終わりました。。。

 

翌日、出社してきた「同期」は、なんと初日の半分になっていたのでした。。。

 

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