小学生から中学生のころ、剣道をやっていました。
小さい頃、とても体が弱い子供だった事もあって、
母に無理やり勧められて始めて、最初の頃は行くのが嫌で嫌で、
(本当に)泣きながら通ったものでした。
剣道というものは、中々センシティブなスポーツです。
勝負は一瞬で決まります。
ほんのちょっとでも油断したり、弱気になったり、集中が途切れたりすると
そこを突かれて、バシッと打たれたりしてしまいます。
私は小さかったけど、負けず嫌いですばしっこくて器用だったので、
そこそこの強さでした。
ただ、地元の大会になると最初は良い感じで、上級生とかに勝ったりしたのですが、
勝ち進むにつれて、頭の中が優勝トロフィーを貰う事で一杯になってしまって(苦笑)
結局優勝を逃してしまうという感じでした。(プレッシャーに弱いんですね (^_^;)
毎年、区の大会が有って参加していたのですが、
ある時期(小5ぐらい?)から、「初戦は必ず勝てる」状態になりました。
私はある「秘策」をあみ出したのです。。。
(地元の大会には効果ありません(笑))
それは。。。
大会の会場に着くと、すぐにトーナメント表を確認します。
相手はどこの誰かというのを先ずチェックします。
そして、その子が誰なのかを確認しに行きます。
その子を遠目から観察します。
大柄で結構強そうな感じだと、「シメシメ。。。(笑)」とほくそ笑みます。
自分の場所に戻り、親しい友人数名を呼びます。
そして、彼らを連れて、相手の近くに行って、
私をいじめる演技をしてもらいます。。
こんな感じ。。。
(友人)「お前、またナマイキな事をオレに言っただろう?」
(私)「わーん、ゴメンナサイ。もう言わないから許して〜。」
(チラっと対戦相手を見て、こっちに気がついている事を確認。)
(友人)「ゆるさん!」とか言って追いかける。。
(私)逃げようとして、足をもつれさせて転ぶ。。。「ああ。。。」
(チラッと対戦相手を観察。蔑む様にこっちを見ているのを見て、
「よし!」と小さくガッツポーズ。。。(笑))
お膳立てが上手く行くと、後は簡単です。。。
試合直前、相手の方を見ると「敵」は周囲に、
「あいつ弱いから楽勝だよ」とか言って笑っています。
竹刀を合わせて、向きあっても相手の目が笑っています。。。
「始め!」
声が掛かると、私は電光石火の勢いで相手に打ちかかります。
「面!」 バシッ!!
「一本!」
面白い様に決まります。
相手の顔に驚愕の表情が浮かぶ頃には、もう一本頂いています。。。
こんな感じで、初戦は無敵、というか初戦に全てをかけていました(苦笑)
そんな話を妻にしたところ呆れた様に、
「あんたのソレは「剣道」じゃない。曲がった剣だ。」
と言われてしまいました。。。
でも。。。
孫子の兵法にも
「善く戦う者は勝ち易(やす)きに勝つ者なり。
故に善く戦う者は勝つや、智名なし、勇攻なし。」
「戦いは奇をもって勝つ。」
と言うじゃないですか。。。
(やっぱり違うかも。。。 (^_^;)