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shobuno's blog

shobunoの日記です。日々見たこと、考えたこと、思い出した事などを興味の向くまま書いていきます。

研修生の一日 (今はなき株式会社Mの物語 3/16)

思い出 今はなき株式会社Mの物語

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スナップエンドウ、初収穫です。

煮物に入れて食べたところ、びっくりするぐらい甘い!!

お腹いっぱい食べたいです。。。(笑)

 

 

さて、今はなき株式会社Mの物語、3回目は研修生の1日を描写しましょう。。。

今回は、ちょっと長文になってしまいました。

 

 朝は大体4時半に目覚ましが鳴ります。

前日(?)寝たのが、大体1時過ぎですから、睡眠時間は3時間ちょっとです。

眠い目をこすりつつ、自室で朝ごはんを食べます。

私はコンビニのおにぎりとか続けて食べれない体質(?)ですので、

ご飯を炊いて、簡単な「料理」を作って食べていました。

ご飯を食べながら、ラジオのスイッチをオン。

流れて来たのは、当時デビューしたてのJUDY AND MARY

「Blue tears」が、唯一私の心の支えでした(苦笑)

 

食事を済ませたら、スーツに着替えて出発です。

大体5時半ぐらい。

八戸ノ里から電車に乗って、大阪(梅田)へ。。。

同じ寮の同期生数名と一緒でしたが、お互いに口をきくことは有りませんでした。

大阪駅から10分ぐらい歩いて、アプローズタワーのふもとに集合。

大体午前6時30分ぐらいでした。

 

アプローズタワーの通用口をくぐって、非常用階段を登って22階へ。。。

研修生は、エレベーターを使う事が禁じられていました。

アプローズタワーの「22階」は、普通の22階ではありませんでした。

下の方のフロアは1階が通常の3階分ぐらい有ったりして、

実際には30階分ぐらい有ったんじゃないでしょうか。。。?

その長い長い階段を、研修生達は一列に、猛烈な速さで一気に登っていきます。

大体7〜8分ぐらいだったかな?

途中にホテルのフロアとか有って、あんまり足音を立てるとウルサイと

苦情がきたりして、みんな出来る限りそっと歩いて上りました。

最初の頃は、息も出来ないぐらいな状態でしたが、慣れというのは恐ろしいもので、

2,3ヶ月もすると、ちょっと息が上がったぐらいの状態にまでなりました。

まあ、それでも皆、全身汗まみれでした。

 

 フロアを登り切ってオフィスに入ると、すぐに清掃です。

広い広いフロアを、研修生のみんなで手分けしてピカピカにします。

 

ああ、書き忘れていましたが、株式会社Mの当時社員数は約360人。

アプローズタワーには、300人分ぐらいの席が有ったんじゃないかと思います。

 

机なんかは、真っ白に磨き上げられてすり減ってしまうぐらいの状態。。。

みんなで全力で1時間ぐらいかけて磨きあげます。

掃除が終わる頃には、また全身汗ビッショリです。。。

 

主任以上の社員の人たちが出社してくると、お茶出しをしなければなりません。

◯◯主任は麦茶、◇◇主任は緑茶、△△係長は梅こぶ茶などなど、

人によって出すものが決まっているので、覚えるのが大変でした。。。

 

そんな感じで朝のお勤めが終わると、研修生は研修室へ待機します。

ここで、研修の復習などをします。

眠気がMaxになりますが、うっかり寝ている所を見とがめられたりすると、

社長から「やめい!」と言われて、即首が飛びます。。。

 

このとき、研修生の代表が一人、社長に出社の報告へ行きます。

まず、総務室へ入ります。

I主任に

(敬礼)「お仕事中失礼します。」

I主任「はい。」

(最敬礼)「お早うございます。」

I主任「お早うございます。」

「社長に4月1日入社研修生の出社のご報告をさせて頂きましてよろしいでしょうか?」

I主任「はい。」

(最敬礼)「ありがとうございます。」

社長室の前まで行き(敬礼)「失礼します。」

一歩進み(敬礼)「お仕事中失礼いたします。」

(最敬礼)「お早うございます。」

社長「お早う。」

「4月1日入社研修生の出社のご報告をさせて頂きましてよろしいでしょうか?」

社長「はい。」

(最敬礼)「ありがとうございます。

      ご報告させて頂きます。4月1日入社研修生、総数◯◯名は、

      午前◯時◯分までに全員出社させて頂きました。

      ただいま、研修室に於きまして社長のご講義を受けさせていただけます

      態勢で、待機させて頂いております。

      本日も、社長のご講義を受けさせて頂きたく存じております。

      社長のご講義を受けさせて頂けますでしょうか?」

社長「はい。」

(最敬礼)「ありがとうございます。お願いいたします。以上です。

      何かご指示はありますでしょうか?」

社長「特にない。」

「はい。かしこまりました。」

 

。。。こんな感じです。

セリフを噛んだり所作を間違えると酷く怒られるので、非常に緊張させられました。

 

研修室で待機していると、突然社長が入ってきて講義が始まります。

講義の内容は多岐に渡り、企業とはとか、情報システムとはとか、

産業のなりたちとか、社会人としての心構えとか、一般教養的な話とか色々でした。

講義が終わると「再現」。ノートに講義の内容を必死に書きます。

 

日によってマチマチでしたが、先輩研修生達に指示されて、

会議室セッティング、撤収とか、電話番とか、総務の業務のサポートとか、

社長の車の車庫入れとかそんな事をやっていました。

 

お昼になると、13階にあるリフレッシュフロアでお弁当(380円ぐらい)を、

研修生のみんなで食べました。

「シャケ弁」の鮭が5ミリぐらいの厚さだったり、脂が白く固まった肉弁当とか

でしたが、消耗しつくしていたので、美味しくいただきました。

13階への移動、22階への帰還は、勿論非常階段です。

 

 午後も講義や、先輩研修生からの作業を行なっていたのですが、

「所作の練習」という事も行いました。

姿勢とか、歩き方とか、目付きとか、発声とか、言葉遣いとか、

先輩研修生から、厳しく指導されました。

私は良く「声が小さい!」とか「ハキハキ話せ!」とか注意されました。

 

発声といえば、「発声練習をする」と言われて、

近くを流れる淀川の河川敷まで出かけて、大声を出す練習をさせられました。

河原まで歩いて15分ぐらいでした。

スーツを着た15人ぐらいの集団が一列に凄い早足で行進する様はかなり異様だったと思います。。。

幼稚園児ぐらいいの子供が、私達を見て

「あ、おかあちゃん、サラリーマンや。」

と指さされました。。。(苦笑)

 

河原での発声練習は、思いの外キツかった。。。

ああいう場所って、音が発散してしまって、中々遠くまで伝わらなくて。。。

そんな中、喉が枯れるまで大声を出させられました。

 

発声練習が終わると、また事務所まで行進、階段上りです。。。

河原へ行った日は流石にヘトヘトになりました。

 

夕方の講義、再現。。。

社長より、今日の研修はこれまでと言われると、研修報告書の作成に入ります。

書き終わると、研修報告書を社長室に提出し、帰りの挨拶をして帰ります。

(決まった所作が有りましたが略。。。(^_^;)

 

最後に研修報告書を提出した人は、社長に最終退社のご報告をします。

 

社長室の前まで行き(敬礼)「失礼します。」

一歩進み(敬礼)「お仕事中失礼いたします。4月1日入社研修生の最終退社のご報告

         をさせて頂いてよろしいでしょうか?」

社長「はい。」

(最敬礼)「ありがとうございます。4月1日入社研修生のshobunoです。

      私が4月1日入社研修生のうちで最後に退社させて頂くものです。

      何かご指示はございますでしょうか?」

社長「特にない。」

「はい。かしこまりました。退社のご挨拶をさせて頂いてよろしいでしょうか?」

社長「はい。」

(最敬礼)「ありがとうございます。4月1日入社研修生、総数◯◯名は、

      只今をもちまして全員退社させて頂きます。

      お先に失礼させて頂きます。」

 

こうして、無事に1日のお勤めを終えて、寮にたどり着くと大体夜中の12時過ぎ。

お腹がペコペコで、近所にある定食屋で夜食をとりました。

今から思うとビックリするような食欲で、2人前(例:とんかつ定食と、ラーメン定食とか(^_^;)ぐらいを毎晩食べていましたが、食べても食べても体はどんどん痩せていきました。

 食べてお風呂に入って、床に付くのは大体1時過ぎ。。。

そして、すぐ翌朝が来るのでした。

とにかく連日くたくたで研修に集中するしかなくて、

次第に色々マイナスな事を考えなくなりました。

 

 

入社してすぐに、私達(研修生)に対して、社長より命令がくだりました。

1.家族に電話してはいけない。

2.研修生同士で群れてはいけない。

3.研修生同士で飲酒してはいけない。

4.寮では、他人の部屋へ入ってはいけない。

 

 人間というものは、常に「他者」を基準に自我を保っているんです。

本当か嘘か知りませんが、突然周囲の人々から「お前なんて知らない」と言われ続けると、人はアイデンティティを保てなくなって発狂してしまうとか。

この研修は、周囲から完全に遮断してしまい、これまでの価値観が通用しない世界に放り込まれ、睡眠時間も削られて、精神も朦朧とした状態で、社長や先輩研修生から「正しい考え方」を注入させられる研修でした。

これは典型的な「洗脳」というテクニックです。

「洗脳」というのは、悪いイメージが強い言葉ですが、私は単なる技術だと思っています。

「洗脳」によって、何を入れるのかによって良い悪いは決まるんだと思います。

私の場合は、あの時に学んだ事が今も役立っているので、まあ良かったんだろうと思っています。

 

「洗脳」は、いわゆる「お勉強ができる良い子」程かかりやすいと聞きます。

そういえば、株式会社Mの社員は良い大学(東大とか京大とか)出身者が異様に多かった様に思います。。。

 

あのオーム真理教も、高学歴者がたくさん在籍していたとか。。。

そう考えると、私も一歩間違えていたら。。。(ちょっと怖い。)