昨晩はお客さんと呑んだのですが、珍しく呑み過ぎてしまい。。。
家に帰ってそのままバタンキュー(死語? (^_^;)でした。
いま家にいるということは、電車の乗り換え(しかも2回)に成功した訳で、
これは奇跡なのではないだろうか。。。?(帰巣本能? 苦笑)
さて今日は、昨日の続きのレコードの話(その2)です。
中学生の頃、私は隔週ぐらいで図書館に通っていました。
元々読書が大好きで、大量の本を消費(っていう言葉が相応しい程)
していたのですが、目的はもう一つ有りました。
当時私は放送部(小学生の頃は「放送委員会」)に所属しており、
「お昼の放送」の1コマを担当していました。
私の担当する曜日は、クラシック音楽とそれにちなむお話を流す事になっていました。
当時、音楽を入手する方法は、
1.レコードを買う(一枚3000円)
2.レコードをレンタルする。
3.エアチェック(死語)で入手する。
(ラジオで流れる音楽をテープに録音すること)
という感じでした。
中学生の財力で、毎週流すクラシック音楽のレコードを自腹で賄える筈も有りません。
エアチェックも盛んにしていたのですが、欲しいものが手に入るとは限りませんし、
雑音が入ったりして失敗する事も多々ありました。
レコードレンタルも有りましたけど、クラシックは殆ど有りませんでした。
図書館でレコードが借りられるらしい。
という事を知ったのは、本を借りるために図書館へ行った時、
偶然「レコードコーナー」という看板を見た事がキッカケだった様な気がします。
一緒に来ていた友人達(例によってユースフさん、Kさん)と一緒に、
「レコードコーナー」と札が出ている扉を開けました。
そこは小部屋になっていて、大きな棚にレコードがジャンルごとにビッシリ並んでいました。
シーンとした部屋で、数名の大人がレコードを物色していました。
部屋の入口ちかくの壁を背に、小さな机と椅子が置いてあって、
そこに、苦虫を噛み潰した様な表情の大人が座っていました。
クラシック音楽の棚を見ると、びっくりする位豊富な品揃え。。。
えっ、これを無料で貸してもらえるのっ?!
私は狂喜乱舞しました。(あくまで静かにですが (^_^;)
その日は、1時間ぐらいかけて選びに選んだ3枚のジャケットを家に持ち帰りました。
なんてステキなシステム!!
しかし、問題はその後でした。。。
2週間後、借りたレコードを苦虫を噛み潰した表情のオジサンに返しに行くと、
彼はジャケットからレコードを取り出し、白熱ランプにレコードを当てて、
詳細にチェックし始めました。
しばらくして彼が、
「傷を付けましたね?」
「えっ?」
「ほら、ここに大きな傷が。。。 あ、ここにも増えている。」
「ああ、確かに。再生してたら雑音が出ましたよ。」
「あなたが傷を付けたんでしょ?」
「いえ、最初から付いていました。」
「そんな事ないでしょ。ほら、ここに傷の位置を記録した紙があるんだから。」
紙に円が描かれて、その上に細かい線が書かれた紙を私に見せました。
最初から傷ついていたと主張したいのですが、証拠(?)を突きつけられると、
中学生だった私にはどうやって反論したら良いのか分からなくなってしまいました。
「。。。。」
「困りましたね。。。」
「。。。。」
「あ、ここにも。。。 困ったなぁ。。。」
「。。。」
「困ったぁ〜!」
何も言えない私に、彼は「困った」攻撃を繰りかえしました。。。
10分程絞られて、
「次は気をつけて下さいよ」
と言われて、解放されました。
散々嫌味を言われましたが、放送部の事が有るので借りるのを止める訳には
いきません。その日も3枚新しく借りて帰りました。
(借りる時は、チェックが無いんですよね。。。(苦笑))
こんな風に、図書館のレコードレンタルは私が中学生の間、ずっと続きました。
返却の時、あのオジサンに当たると散々嫌味を言われ続けましたが、
違う人に当たるとスルーしたりして。。。
(あ!? もしかしてコレが原因か? やっと今分かったきがする (^_^;)
子供心に、何ともマズイ仕組みだと思っていました。
さて、今から話をすることは、現実に有った事なのかどうなのか。。。
夢だったのかも知れないと思うのですけど、
あまりに強烈な体験だったので、脳が現実逃避して(?)「夢」の様な記憶にすり替えてしまったのかも。。。
その日も図書館で、レコードを物色していました。
多分いつもの友人も一緒だった筈。。。
棚からジャケットを取り出した時、レコードが入る口が下を向いていたのだと思います。
スルッと黒い大きな円盤が下に向かって落ちて、
床に衝突してました。
カン!
ハッとして床を見ると、床には粉々に砕けたプラスチック片が散乱していました。
余りのことに、私は頭が真っ白になってしまいました。
周囲の景色から色が消えた様な気がしました。
周囲を見ると、不思議な事に誰も気付いた様子が有りません。
私は慌てて破片をかき集め、ジャケットに入れました。
それでも誰もこっちを見もしません。
私はそっとジャケットを、元の棚に戻しました。
アレは本当に有った事なんだろうか。。。?
夢だった様な気もしますし、本当だった様な気もします。
ただ、もし本当だったとしたら。。。
あのオジサンがアレを見て、どれだけ「困る」のか。。。
それだけはチョッと見てみたいかも。(^_^;