本人も忘れがちな不定期連載、たまクラの。。。えっと何回目だっけ? (^_^;
今日は、モーツァルトの超有名な曲。
「魔笛」から、夜の女王のアリアをお送りします。
「魔笛」は、1791年、モーツァルトが亡くなる直前に完成されたオペラです。
「魔笛」そのものについては、いずれ きちんと取り上げようと思っておりますので、
今夜は、その中の夜の女王のアリアのお話だけをしましょう。
夜の女王のアリアは、2曲有ります。
第一幕で歌われる「ああ、恐れおののかなくてもよいのです、わが子よ!」で始まる曲と、第二幕の「復讐の炎は地獄の様に我が心に燃え」で始まる曲です。
その中でも、第二幕目の曲が有名で、今でもあちこち
ドラマやCMなんかでも使われているので、きっと皆さんご存知の曲でしょう。
『魔笛』の純粋なサウンドはこの世のものと思えないほど美しい。
木星、土星、天王星、海王星といった大惑星の歴史的な探査に成功したボイジャー1号と2号は、太陽系からの脱出速度に到達した。
1日百万マイルの速度で、寒冷、暗黒の星と星の間の夜に向かっている。
星と星との間の深い真空空間では、ほとんど何も起こらないので、宇宙探査機は、銀河系の中心を回る軌道にのっているあいだ、数十億年、無傷で 存在しつづけると予想されている。
万一どちらかの探査機が、ある日、他の高度な文明をもつ星に横取りされた場合に備えて、ボイジャーには、この探査機を打ち上げた人間と文明についての広範囲の情報を記録した金色のレコードが、目立つように積みこまれている。
デジタル・エンコーダされた118の画面、多数の国の言葉による挨拶、科学的なデータ、地球上の生命の進化についてのサウンド・エッセイ、恋をしている若い女性の脳波などの他に.一時間半の世界の名曲、東洋と西洋、クラシックとフォークーがふくまれている。
レコードに録音できるスペースが限られているので、地球の文化を完全に示すことはできないし、レコードを編集し制作する時間もきわめて限られていた。
しかし、レコードをまとめ上げた人たちの間には、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの作品を何かふくめなければという点に関して、まったく異議がなかった。
選定作品はただひとつの作品で、グランド・オペラを代表するものでなければならない。それは、『魔笛』から、エッダ・モーザーが歌ったアリアで、まさにぴったり、〈夜の女王〉であった。
(カール・セーガンとアンドルゥヤン)
ボイジャーロケットに載せられて宇宙に飛び立って行った声は、この音でしょうか?
サヴァリッシュ指揮 バイエルン国立管弦楽団演奏 エッダ・モーザーが夜の女王を歌っています。
エネルギッシュで、技巧的で怒りに満ちた歌です。
高音分で、非常に超絶技巧的なテクニックが要求される曲を歌える歌手の事をコロラトゥーラソプラノと呼びますが、この夜の女王はまさに代表的なコロラトゥーラソプラノと言えるでしょう。
〔『魔笛』の〕〈夜の女王〉は、私がいままで歌った中でいちばん退屈で要領を得ない役だった。〔女王は〕第一幕第一場でアリアを歌い、第二幕第三場で、もうひとつ別 のアリアを歌う。
アリアとアリアの間は、舞台裏に最低一時間半は坐っているのである。
たったひとつ、この役の埋め合わせをしているのが、その難しさである。いついかなる時代でも、〈夜の女王〉を歌えるソプラノは、世界中でほんの四、五人だろう。ハイFとは、どれくらい高いだろうか?すごく高い。五つのハイFに加え、女王の二つのアリアには、かなり難しいコロラトゥーラのパッセージがある。それに、小物のソプラノではだめだ。なぜなら、性格が似ている烏はといえば負欲なハゲタカだけだから、思いっきり音符をたたきつけなくてはならないからだ。…
数えるほどのソプラノしか〈夜の女王〉を歌えないから、自分で将来の方針を立てることができ、その役で一生食べていける。
出演が何度か成功すれば、またたく間に 名声を得られる……
私がもらった最も高い報酬は、ロザリンデでもヴィオレッタも、他のどの役でもなく、〈夜の女王〉でだった。
------ビヴァリ・シルズ「ビヴァリー」より
ビヴァリー・シルズによる夜の女王
確かに、彼女の言う通り、夜の女王を歌いこなせる歌手は、世界にほとんどいません。
ビヴァリー・シルズの歌でさえも、終盤のコロラトゥーラを上手くこなしているけど
やや 流してしまっている感じもするし、微妙に音がブレている様な気もしますが、
上手く自分流にアレンジしている感じ。。。
モーツァルトは、当時演奏家に合わせて、その演奏家の特徴が生きる様な曲を作りました。
この夜の女王のアリアを初演で歌ったのは、モーツァルトの義理の姉ヨゼーファ・ホーファーで、彼女が33歳のときでした。
彼女はきっと、もの凄い歌手だったんでしょうね。。。
彼女の歌を聞いてみたいものです。
夜の女王が入っているのCDを10枚ぐらい持っていますが、
私が「歌えている」と思える人は2人だけです。
一人は、エディタ・グルベローヴァで、もう一人がクリスティーナ・ドイテコム。
エディタ・グルベローヴァの夜の女王です。
燃える様な夜の女王ですね。
彼女は表現力、パワーが圧倒的です。
ちょっと荒い所もある様な気もしますが、それを補う力がありますね。
演劇的に素晴らしい演奏です。
そして、クリスティーナ・ドイテコムです。(これは一曲目のアリアです)
彼女は、何というか完璧です。
完璧過ぎて、「人間味がない」とか「もはや楽器だ」とか酷評する人もいるんですが
それはちょっと批評するポイントが違う気が。。。(^_^;
夜の女王のアリアとしては、ややマイナーな曲ですが。
私は彼女が歌うこの曲(1曲目のアリア)がとても好きです。
Cristina Deutekom: Mozart - Die Zauberflöte, 'Der ...
これは、ドイテコムの夜の女王のアリアの有名な方の曲です。
もはや、何もいうことがありません。。。(笑)
人間はここまで出来るんだと、ただただ圧倒させられます。
(※ニコニコ動画の部分が再生できないというウチの夜の。。。おっと、妻の
強い抗議により、一部動画を差し替えました (^_^;)