SANSUI AU-D907X 1984年製。つまり最盛期の製品です。実に美しい。
山水電気が、先日とうとう破産してしまったというニュースを見ました。
2年前にヤフオクで買った中古のAU-D907Xは、とても調子が良く、
毎週末、休日には良い音を楽しませてもらっています。
あと何年保つのか、ちょっと不安ですが。。。
学生だった当時、趣味が「オーディオ」だった私の憧れの的が、
山水電気、いえ、SANSUIのアンプでした。
当時は20万円以上もして、とても手が出ませんでしたが、
「いつかはSANSUIを。。。」
と思ったものでした。
アンプには、607, 707, 907 という数字の型番がついていて、907が一番高くて、
607は廉価版でした。
当時は、607でも良いから欲しかったものです。それでも¥79,800...(^_^)
「 オーディオ御三家」と言えば、SANSUI、パイオニア、トリオ(ケンウッド)。
中でもSANSUIは別格な感じだったのですけど。。。
会社設立初期はトランスの生産・販売が主な事業内容であった[1]が、1969年(昭和44年)に海外向けに商品化されたレシーバ [2]がベトナム戦地の米軍PX(売店)で大ヒットし、オーディオ機器生産・販売へシフトした。
オーディオブーム全盛の頃にはステレオアンプ技術において名門として知られ、JBLの日本総代理店にもなった。1984年10月期には525億5200万円の売上高を記録したが、オーディオブームの衰退やデジタル化の波などにより経営が悪化。1989年には英国ポリーペックインターナショナルの出資を受け傘下となったが、翌年同社は破綻。1991年に香港セミテックの傘下となる。その後も経営は好転せず、1999年にはセミテックが破綻し、香港の嘉域集團有限公司(ザ・グランデ・ホールディングズ・リミテッド)から、財政支援を受けた。2001年には自社の製造拠点がなくなり、音響・映像機器事業からの売上が減少、過去に販売した製品のアフターサービス事業が中心になった[3][4]。 2011年5月31日付で、親会社の嘉域集團有限公司が事実上の倒産状態になったことで山水電気の資金繰りが悪化。さらに、親会社の債権が取り立て不可能になったため債務超過に陥った。
2012年4月2日、山水電気は東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。この時点での負債は約2億4765万円。
民事再生手続きは受理され、同年12月27日付で再生手続きは終結したものの、その後も資金繰りの目途がつかず、2014年7月9日には東京地裁より破産手続開始の決定を受けた。負債は約3億5000万円。
あのSANSUIの破産時の負債がたった3億5000万円かっ!?
(って、個人的には大金ですが。。。(^_^; )
まあ、大分前から倒産状態だったらしいので、仕方ないと言えばそうなのですが、
最盛期、525億もの売上を上げた「大企業」の最期としては、淋しすぎる。。。
デジタル化に乗り遅れてしまったのが原因だという事ですが、
当時のクオリティで、現代風のアンプを造ったたら、どんな音になるのでしょう?
聴いてみたかったです。。。
「趣味はオーディオです」
自信たっぷりにそう言っていた私ですが、
最近ではそう言う人を見かけなくなりました。
まだそう言える人々は、1セット数百万円もするオーディオセットを持っている人々という状態になってしまったのでしょうか?
「趣味はオーディオ」と言っても、当時の音はそれほど良くなかった気がします。
音源は、カセットテープか、レコードか、FMラジオ。
カセットテープは、耳を澄ますと「シーーーーーー」という、「ヒスノイズ」と
呼ばれる雑音が聞こえましたし、レコードもホコリが付いたり傷が付くと、
「バチパチ」とノイズが聞こえました。(今はわざと効果でこのノイズを曲に入れたりしますが(笑))
FMラジオに至っては、「ブーン」とか「サー」とかいうノイズが聞こえて、
何とかこのノイズを軽減できないかと、色々研究したものです。
今。。。
普段の音楽は、ほとんどiPhoneで聴いています。
音源の「データ」は全部クラウドに有って、1万曲以上のライブラリから、
いつでもどこからでも、聞きたい曲を聞く事ができます。
重い巨大なアンプは不要。
手のひらに乗る様な小さな機械(しかも電話だし(笑))と、ヘッドフォンだけ。
音質もかなり良いです。。。
多分、あの頃の音よりも高音質だと思います。
雑音も全く聞こえません。
専門家の方々は何と言うか分からないけど、私には充分過ぎるぐらい高音質。
「オーディオ」という趣味が廃れる筈です。
当時の私が知ったら、「未来の世界だ!」驚く事でしょうね (^_^;
かつての巨大なアンプ。。。
その必要性は、もしかしてとっくに失われてしまっているのかも知れないけど、
SANSUIのアンプを見ていると、昔憧れた頃のドキドキが蘇ってくるのを感じてくるのです。
長く使いたいから、ウチのも一度見てもらいたいなぁ。