掟上今日子シリーズの最新刊、「掟上今日子の挑戦状」が出ましたので、読みました。
今まではどちらかと言えば被害者側の人々が主人公で、一冊の中では固定的だったのが
今回は、3つの話でそれぞれ主人公が変わり、刑事だったり、ズバリ犯人だったりします。
そのためか、ストーリーはより「事件」に重点が置かれる事になって、よりミステリー色が強い作品になった感じです。
眠ると記憶がリセットされる忘却探偵、掟上今日子さんのキャラクタも、だんだん固まってきた感じで、「抜群の推理力」、「ドライ」、「お金にシビアなプロフェッショナル」という面が強化されている感じ。
文章もノリノリな感じで、西尾維新的な凝った(ひねくれた? ^^;)表現・展開が、バンバン出てきます。
勢いが増してとっても良い感じで、読んでいて面白いのですが、何でしょう?
微妙に残念感を感じる。。。
「普通の推理小説」に近づいている様な感じと言えば良いのか??
掟上今日子さんが、単純に「謎を解く役の人」になりかけている。。。のか??
ストーリーの中心が「事件そのもの」になると、そうならざるを得ないんでしょうけれども、私としては「掟上今日子さん」そのものにもっとスポットライトを当てて欲しいんですね。
まあ、これから巻を重ねるうちに、そういう話に当然なるとは思うんですが。
と、ちょっと文句(?)を言ってしまいましたが、本作は推理小説好きな方にも、
シリーズが好きな方にも楽しめる作品になっていると思います。
(★★★☆☆ 星3つ)