妻「えっ? まだ読んでいなかったの?」
私「。。。 (^_^;」
という訳で、こんばんは。
表題の通りです。
模倣犯 全5巻完結セット (新潮文庫) [文庫] by 宮部 みゆき [文庫] by 宮部 みゆき
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005
- メディア: 文庫
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妻は随分前に読んでいたのですが、私は昨晩やっと読み終わりました。
いや〜 長かった〜(^_^;
「火車」というお話を読んで以来、宮部みゆき さんは凄いと思っていたのですが、
今回改めて、「やっぱり凄い」と思いました。
読み終えた直後は、ぼぉーっとしてしまい、感想を書くどころでは無かったのですが、
1日経った今も、まだ余韻が残っています。
何が凄いのかと言うと。。。何でしょう。。。?(何だよ (^_^;)
「女性」が書いた本という感じがしない所でしょうか。
女性が描いた「男性」は、男の自分からすると違和感が有る事が良く有るんです。
そういう作品を読む度、
「これが、女性の限界かな。。。?」
と思うのですが。。。
(男性が描く「女性」にも当てはまる事なんでしょう)
宮部みゆき さんの描く男性は、思春期の男の子から、20代の若者、
30代の旦那さん、70代(?)のおじいちゃんまで、男の自分の目から見ても、
違和感のない、リアリティ溢れた人物になっています。
男性をこれだけ表現出来るんですから、女性の表現も勿論素晴らしくて。。。
読んでいて嫌になる位、女性の嫌な感じの部分が表現できていると思います。
これだけ力の有る作家さんを、どうして私は余り読んで来なかったのか。。。
まあ、これから読むべき本の山を発見したと思えば、幸せな話だと思います。
さて「模倣犯」のお話です。
冒頭にも書きましたが、長いんです!
分厚い文庫本、5冊分です。
私はiPadに取り込んでいたので、余り重さは感じませんでしたが。。。
とても沢山の登場人物が出てきます。
物語の主役、脇役、どうして出て来るのかよく分からない人。。。
ともかく、沢山出てきます。
そして、それらの人々がどういう人なのかを丹念に丹念に描いています。
物語が展開して、
「おお! それからどうなるの!?」
と思うと、シーンが突然変わって、全く知らない人の話になり、
「えっ?! あっちの話の続きが読みたいのに!」
と読み進めていくうちに、盛り上がってきて、
「そうか! そう繋がるんだ!」
と思うと、また違う人の話。。。
何というか、読者を引っ張りまわすのがとても上手です。。。(^_^;
回収されなかった伏線とか、結構有るのですが、
最後まで、ドキドキハラハラさせられました。
色々読みどころが有って、読む人ごとに受け取り方が違う作品なのかも知れません。
終盤、「犯人」が急にバランスを崩して、呆気なく破滅します。
あれあれ。。。と思いますが、最後の最後、被害者の家族の老人の言葉が、
身にしみて、涙を誘われます。
堪能させて頂きました。
改めて「読書の楽しみ」を感じさせてもらえた作品でした。
犯罪の話なので、残虐なシーンも、これでもかとばかり出てきます。
そういう話が大丈夫な方、読み応えの有る骨太な作品をお探しの方にお勧めします。
(そういう方は、とっくに読んでいらっしゃるかもですが。。。)
(★★★★☆ 星4つ。)