今日は読書感想文です。
「七つの会議」を読みました。
池井戸潤 と言えば、半沢直樹シリーズや、「ルーズヴェルトゲーム」、
「空飛ぶタイヤ」、「鉄の骨」など、エンターテイメント性が高い作品が有名です。
勧善懲悪、前半はこれでもかというばかりに主人公が窮地に追い込まれていき、
どん底から、後半大逆転へ。。。
前半、主人公と一緒に苦境を耐え抜いて。。。ラストはスカッとする。
そういう作品が多いと思います。
でもこの作品は、いつもとちょっと趣が異なっています。
有る企業の、色々な立場のキャラクタ達が、それぞれ別のテーマを持っていて
「会議」に望み、自分の道を少し切り拓いて行くというお話が続きます。
始めは「短編集?」と思うのですが、それぞれの話が徐々に繋がって行き、
大きなテーマに向って進んでいきます。
見事というしか有りません。
後半は、本を閉じる事ができなくなってしまいました (^_^;
池井戸作品って、人物描写が平面的な事が有るなぁ
とか思った事も有るのですが、この作品を読んで考えを改めました。
勧善懲悪、現代の時代劇的な作品も良いですが、
人々が生き生きと、複雑に関係し合いながら大きな物語を形作っていくという描き方は
なかなか出来る人はいないと思います。
この作品を読んで、改めて池井戸潤の作品を全部読んでみたくなってきました。
この作品、NHKでドラマ化されていたんですね。。。
半沢直樹ブームの陰に隠れてしまっていますが、是非一度観てみたいです。
(★★★★☆ 星4つ)