今日は、読書感想文です。
実は録るだけ録って、まだちゃんと見ていないテレビドラマ
「花咲舞が黙っていない」の原作にもなった「不祥事」を読みました。
慣れというものは恐ろしいもので、半沢直樹シリーズや下町ロケットや空飛ぶタイヤなど、強烈な作品を読み慣れてしまうと、少々の作品では刺激が足りなくなってしまう様です。。。(^_^;
今回読んだこの作品も、テレビドラマの原作になった訳ですが、
「銀行総務特命」の時の様に、初めは物足りなく感じました。
この作品には、ちゃんと「花咲舞」が登場します。
最初の頃は何ともステレオタイプなキャラクターで、リアリティが無い、
いかにも「男性に作られた理想的な女性キャラクター」あるいは、
コミカルな「スーパーヒロイン」に思えました。
ただ、池井戸潤さんの凄い所は、周囲の状況をどんどん過酷にしていく事によって、
この「スーパーウーマン」を、相対的に普通の人に近づけてしまうという。。。
何とも荒っぽいやり方で、ヒロインを生かして行くのです。
池井戸潤さんの、これでもかこれでもかと、酷い状況を作り出す力が有って
初めて成り立つスーパーテクニックと言えるんじゃないでしょうか。。。? (^_^;
という訳で本編ですが、話が進む程面白くなっていきます。
この本は短編集ですが、それぞれのお話が微妙に関連しています。
そして、話がどんどん大きくなっていきます。
確かに、この勢いは「女半沢直樹」という感じです。。。(笑)
最後の話の最後に含みをもたせているので、多分作者は、
続編も視野に入れているに違いありません。
是非続きが読みたくなる本です。
ただ。。。振り返って考えてみると、「花咲舞」に注目してみると、
彼女は最初から最後まで「スーパーウーマン」で、変化は有りませんでした。
彼女に関する内面的な描写は殆ど見られませんでした。
もしかして、池井戸潤さんは、女性を描くのが苦手なのかも知れない。。。
ふとそんな事を想像してしまうのでした。
(★★★☆☆ 星3つ)