shobuno's blog

shobunoの日記です。日々見たこと、考えたこと、思い出した事などを興味の向くまま書いていきます。

なるかみの すこしとよみて 〜 言の葉の庭を読んだ

 今日は、感想文です。

 小説、言の葉の庭を読みました。

「叶わない恋を描かせたら右に出る者はいない」(と勝手に私が思っている(^_^;)

新海誠さんによる同名の映像作品の小説化です。

 

一年程前に、映像作品の感想っぽいものを書きましたが、今回は小説の感想です。

前に同様に本人によるノベライズ作品の「秒速五センチメートル」を読みましたが、

今回はそれに比べて、格段の進歩が見られます。

 

映像の方が本当に素晴らしかったので、小説でその世界が壊されたら嫌だなぁと

ちょっとビクビクしながら読み始めたのですが、全くの杞憂でした。

当たり前かも知れませんが、新海誠さん本人によるノベライズですから、

映像作品のあの雰囲気とピッタリ合った作品になっています。

 

主人公達の背景について、きちんと補強してくれているのは勿論のこと、

脇役的なキャラクター達にもちゃんとフォローが入っているので、映像作品の中で、

ややご都合主義的。。。強引な展開に思えた部分に説得力が加わって、

より自然な作品になっています。

 

27歳の私は、15歳の頃の私より少しも賢くない。私ばっかり、ずっと、同じ場所にいる。

映像を見ていたとき、ちょっと浮いているかもと感じた言葉でしたが

ああ、このセリフは 、こんな背景が有って出てきたセリフだったんだ。。。とか。

 

丁寧な背景描写の後に、映像作品で出てきたシーンがそのまま出てきて、

成程! そうだったのかぁ。。。と何度も感動出来るので、先に映像作品を見ておいた方がより楽しめるかも知れません。

うーん、この小説版をそのまま映像化したら、凄い事になりそうですね。。。

2時間以上かかると著者は仰っておられますが、1クールたっぷりかけて、

あのクオリティのまま、是非映像化して欲しいものです。 (^_^;

 

新海誠さんの映像作品は、壮絶、圧倒的に美しいのですが、

小説の方も、とても美しい文章です。

きっと本人の心が美しいんでしょう。。。

美し過ぎて、人間の醜い部分を描く時に、(ほんのちょっとだけですが)醜く描き切れない甘さみたいなものを感じたりして、物足りない様な気もする事が無きにしも非ずでしたが、全体的には、映像作品の美しさと同じ種類の、文章の美しさが際立った心地良い作品に仕上がっていると思います。

 

後半のクライマックスシーンを読んでいる時に、

偶然、激しい雷雨に遭いまして。。。(^_^;

臨場感たっぷりに読むことが出来ました。

 

また、映像版を観てみたくなってしまいました。

映像版を気に入った方は、是非オススメしたい作品です。

 


『言の葉の庭』 予告篇 "The Garden of Words" Trailer - YouTube

 

この時期、何度も見直したくなる作品です。

 

(★★★★☆ 星4つ)