夕方、埼玉のとある駅。
客先に向かうために、タクシーに乗りました。
電車に揺られて、半分寝ぼけた状態で座ると、
「第一ですね?」
「あ、はい。 。。。ん?!」
よく見ると、何度か乗った事のある顔見知りの運転手さんでした。
話好きなのか、話かけるのが仕事だと思っているのか。。。
この運転手さんはやたら私に話しかけてくれます。
「いやぁ。。。暑くなりましたね!」
無口キャラな私は(笑)、ちょっと憂鬱になりつつ。。。
でも、父がタクシーの運転手だった事もあって、
運転手さんの気遣いを無下にする事もできす、
できるだけ、話し返す様にしています。 ^^;
「すっかり夏の空気になりましたね」
ああ。。。今日は休ませてもらえないなぁ。。。^^;
「どうしたの? こんな時間に。。。」
「ええ。お客さんに呼ばれちゃいまして」
「コンピュータの仕事も大変だねぇ」
「ええ、まあ。。。」
「そういえば、昨日すごい事が有ったんですよ!」
「え?」
「納品したモノの中に、サラダが5セット足りなかったとかで。。。」
「ええ。」
「長野から新幹線で運んで、駅で社員さんがそれを待ち構えていて、受け取って」
「はい。。」
「私のタクシーに乗りこんで、客先まで届けたんですよ。」
「ええ〜!? それは大変ですね」
「(両手で15cmぐらいの円を作って)このぐらいのサラダが、5個ですよ」
「ええ」
「それを届ける為に、長野から往復の新幹線代と、タクシー代使って、
届けたんですよ」
「そ、それは。。。えらい高いサラダでしたね(苦笑)」
「そう。そうなんですよ! 私もそう言いました。」
「凄いですね」
「。。。日本人って、真面目なんですかね?」
「う〜ん。」
少し考えます。
「あ。でも日本人って、そうするのが当然みたいな所があって、
多分、だからみんな「真面目」に行動するんじゃないんですかねぇ。。。」
ボクがやっている事も、同じ様な事なのかも知れない。
そうこうするうち、タクシーは目的地に付きました。
「はい。到着です。頑張ってください♪」
お金を払って、領収書を切ってもらうと私は、
「はい。 頑張ってサラダ届けてきますね!(笑)」
運転手さんが笑って、
私はお客さんの待っている工場の門に向かって歩き出すのでした。